「瀬戸ツクリテの手仕事 in渋谷ヒカリエ」に行ってきた!
2018年10月26日(金)〜28日(日)に渋谷ヒカリエで開催された「瀬戸ツクリテの手仕事 in渋谷ヒカリエ」に行ってきました。行くきっかけになった名古屋旅行とイベント当日の出来事をレポートします!
2019年12月3日追記:
ブログご覧いただきありがとうございます!こちらのイベント、今年は12月13日(金)〜15(日)に開催されるそうです。
8/01/COURT/瀬戸ツクリテの手仕事in渋谷ヒカリエ
この記事を読んで気になった方はぜひ会場に足を運んでみてください!
"セトモノ"のまち・瀬戸の職人さんのものづくり
器や皿など焼き物のことを、ふだん何気なく"セトモノ"と呼んでいると思います。
これ、もともとは瀬戸で作られた焼き物を指す「せともの(瀬戸物)」が、日本中に広く普及して焼き物の代表的存在になったという背景から、いつしか焼き物全般を"せともの"と呼ぶようになったんだそうです。
そんな陶器のまち、愛知県瀬戸市の職人さんの作品を展示・販売するイベントが「瀬戸ツクリテの手仕事 in渋谷ヒカリエ」です。
「せともの(瀬戸物)」にその名を刻む陶都・瀬戸。
この地にしかない良質な土・森・山・川が、千年以上に亘りものづくり文化を育んできました。
やきものづくりからはじまった精神が、いまはガラス工芸、木工芸へと広がり、いまを生きる現代のツクリテにつながっています。
瀬戸伝統の技をつなぐ窯元、型屋と呼ばれる職人、美しき組子細工の木工職人、感性と情熱あふれる作家たち…。
作ること、そして、暮らしに向き合い、瀬戸のものづくり文化の延長線上にいる若きツクリテ10名の展示販売会・ワークショップです。
背景にある伝統に新しい感性が吹き込まれた手仕事と、それを作り出す彼らに、ぜひ会いにきてください。
8/01/COURT/瀬戸ツクリテの手仕事 in渋谷ヒカリエ
渋谷ヒカリエでの開催は去年に続いて2回目だそうです。
きっかけは名古屋旅行
去る14日、友人を訪ねて名古屋に遊びに行ったのですが、面白いご縁で瀬戸市の「窯垣(かまがき)の小径まつり」というイベントにお邪魔しました。
お寺やギャラリー、古く江戸時代から使われていた大きな窯跡などをスタンプラリーで回りながら、景色を楽しんだり、案内のおじさんから歴史的なお話をうかがったり。
十数年ぶりの社会科見学といった感じでメチャクチャ楽しみました!
で、終わったあと、このイベントの運営に携われている作家・水野教雄さんのお家にお邪魔させていただきました。
瀬戸市指定無形文化財の保持者という、ひとことで言ってスゴイ作家さんなのですが、とても気さくな方で、練り込み技法の仕組みや作り方、設計図から実際の作品まで、いろいろ見せていただきながら面白い話をお聞きしました。
息子さんの水野智路さんも練り込みの作家さんで、今回遊びに行った「瀬戸ツクリテの手仕事 in渋谷ヒカリエ」に出展されている職人さんの1人なのです。ようやく話が繋がりましたね。
Instagramに制作動画や作品の写真がいっぱい載ってます!
全部見てほしいくらいめちゃめちゃかわいい作品でいっぱいなのですが、見るだけで「練り込みスゲーーー」ってなる投稿を3つご紹介します。
ね…??スゴイでしょう…???
粘土をこねてろくろを回すくらいのぼんやりした想像しかできなかった陶芸のイメージがくつがえりました。目ウロコぽろぽろ。
1日で瀬戸のまちが大好きになった自分は、旅の思い出に窯垣の小径ギャラリーから手のひらサイズのアリクイさんを連れて東京へ帰ったのでした。
「瀬戸ツクリテの手仕事 in渋谷ヒカリエ」で出会ったもの
さて、話は戻って東京・渋谷へ。ハロウィン直前の週末というおそろしい時期の開催でしたが、ゾンビに遭遇することなくゆったり展示を楽しめました。
ひとことで焼き物といっても、作家さんや使われている技法によって出来上がる作品が全然違うので、本当に面白いです。あと物欲がヤバイ。
お世話になった智路さんにご挨拶させていただきつつ、めちゃかわいいひよこのミニマグをゲット。
焼き物以外の職人さんも出展されていました。ちょうどアリクイさんを乗せる台が欲しかったので、せっかくなら瀬戸のものを、と組木細工のコースターを購入。
「木工房 玄翁屋」さんの制作作品です。
釘や糊を一切使わずに作られていて、色も着色ではなく木材の色そのままなんだそうです。すごい。
コースターも模様や木材の組み合わせが沢山あってめちゃくちゃ悩みましたが、最終的にアリクイさんのあんよが落ちないよう目が細かい「胡麻柄」のものをセレクト。
おうちで乗せてみたらジャストフィットでした!
かわいい〜!最高〜!
箸作りワークショップにも参加してきた!
この玄翁屋さん、会場で「箸作りワークショップ」をやっていました!
土曜の夜に行ったため、閉場時間が近く今からじゃ作れない…と残念がっていたら「明日来ればやれますよ!」と嬉しいお誘いをいただき、翌日曜日に箸を作るために再び渋谷へ行きました(笑)。
ベースとなる角材はすでに箸のフォルムに近い状態に下処理がされているので、
- 4つ角をカンナで削って8角形ベースの形に整える
- ヤスリがけで仕上げる
- コテで文字入れをする
という3ステップで完成になります。だいたい30〜1時間くらいでできるんだそうです。
作家さん直々に教えていただきながら、カンナで木材を削っていきます。
ちなみに、用意された木材もいろいろあって、タモ、メープル、サクラ、シタンなどなど、どれも色・硬さ・重さが違うので選ぶ段階でもう面白かったです。
私は「ブビンガ」という何度聞いても覚えられない名前の木を選びました。ちょっと赤みがかっててきれい。
- 参考:木材樹木図鑑「ブビンガ・ケバジンゴ」
ただ、削り始めたら、結構クセが強いというか、木目にガリッと引っかかることが多くて、めちゃくちゃ難航。
きれいな八角形とは程遠い感じになったので「角ぜんぶ丸くします!」と宣言して削りまくりました。
そして、気づいたら5時間近く経ってました。
…いや!ほんと!寝食を忘れるってこういうことを言うんだなと!笑
山田さんもスタッフさんも「いくらでもやってていいよ!」とめちゃウェルカムな感じで見守ってくださって、本ッ当に楽しかったです。長居させていただいてありがとうございました。
おかげさまでお気に入りの箸ができました!
最後の仕上げにオイルを塗るんですが、染み込ませたとたんガラリと色が変わって、すごくきれいに発色しました。ギターのネックみたい!
コテの先っちょが細いので、けっこう細かくイラストと文字を入れられました。
削りまくったおかげでちゃんと丸くなりました!
持ち帰り用の箸袋もかわいい。
大満足です!本当に楽しかった!
手仕事の「価値」と「価格」
いきなりですが、ここまででご紹介した作品のおねだんを書きます。(いずれも税込)
- アリクイの置物 2,300円
- 練り込みのマグカップ 4,320円
- 組み木細工のコースター 3,024円
- 箸作りワークショップ 2,000円
率直に「えっ安すぎん?」と思いました。
ワークショップで作った箸を家で早速使ってみたのですが、握ったり、口にしたり、洗ったり、と実際の生活の中で触れてみると、あんなに一生懸命ヤスリがけしても「まだ足りてないな」と感じて、職人さんがつくるものって本当にこだわって手間隙かかっているんだなあ…としみじみ思いました。
もちろん、工業技術の発展がもたらしてくれた高品質・低価格な量産品も、立派なモノづくりだし、生活を助けてくれる存在です。
でも、じゃあそれ"で"いいや、ではなくて、こういう職人さんの手仕事の価値は大事にしたいし、良い!と思ったものが手に届くおねだんなら迷わず買っていきたいなと、改めて思ったのでした。
また、今回のイベントは瀬戸商工会議所、瀬戸信用金庫、瀬戸市が共同で主催されたものなのですが、瀬戸のみなさんが地域ぐるみでしっかりとブランディング・プロモーションに取り組んでいるのがわかって、とてもいいなと思いました。
ものづくりをする人が、ものづくりで生活をするというのは、ものづくりの価値が認めている社会があってできることです。
瀬戸の手仕事の価値をもっと知ってもらうために、自治体も職人さんご自身も一緒になって、こうした展示を遠く離れた地でやるというのは素晴らしいことですし、そのおかげで東京に住む自分がステキな作品と出会うことができました。
職人さんの手仕事、ぜひ見に行ってください!
このブログを読んで「なんかいいな」って思ってもらえたら、ぜひ職人さんが作ったものを見に行ってみてください。
瀬戸にかぎらず、たとえば旅先の工芸館だったり、ふと立ち寄った商業ビルの展示だったり、道端のセレクトショップだったり。
きっと色んな所に出会いがあると思います!
そしてお気に入りの作品をみつけたら、ぜひその出会いを大切にしてほしいです。
私はまたぜったい瀬戸に遊びに行きます。次は焼き物体験とかしてみたい。
いつか食器棚を瀬戸物でいっぱいにするぞー!
追記
今週末の11月2日(金)・3日(土)に、南青山で水野智路さんが制作の実演をされるみたいです!関東のみなさんぜひ!